• 2017_06
  • <<
  • 1
  • 2
  • 3
  • 4
  • 5
  • 6
  • 7
  • 8
  • 9
  • 10
  • 11
  • 12
  • 13
  • 14
  • 15
  • 16
  • 17
  • 18
  • 19
  • 20
  • 21
  • 22
  • 23
  • 24
  • 25
  • 26
  • 27
  • 28
  • 29
  • 30
  • 31
  • >>
  • 2017_08

生きながらフリッカーに葬られ

Buried Alive In The Bogus


スポンサーサイト

  1. --/--/--(--) --:--:--|
  2. スポンサー広告
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

007 美しき獲物たち

  1. 2014/01/07(火) 22:08:27|
  2. 洋画
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:0
「お姉さん」
「うわ、びっくり。きみ、誰? 学校は?」
「ぼくはBG。はじめまして」
「なに? ハーフなの? 髪の毛黒いけど。とりあえずガードレールから下りなよ。危ないよ」
「お姉さん、ぼくとつきあってくれない?」
「あはは、今年はじめてのコクられだ。春から縁起がいいね。でも小学生じゃね」
「それでは問題です、あなたは何者でしょうか?」
「クイズ? 十回云う?」
「そんなに云わなくていいよ」
「ただの女子高生にそんなこと聞かれても」
「お姉さんはJB、ぼくはBG」
「女子高生……はJKだよね、死語だけど。って、はぁ? ええっ、どこ、ここ?」
「雪山」
「なんか足元がチュイン!って云った」
「うしろからは東側の追っ手が山ほど追いかけてきてる。お姉さんは重要なマイクロチップを持って、
彼らから逃げおおせなきゃいけない。ほら、そこにスキー板があるよ」
「スキーしろって? スカートで?……って、また撃ってきた!」
「取りあえず滑ろう。斜面を下りたところに潜水艦が待ってる。並んで滑りながらブリーフィングをするよ」
「あたし寒いの嫌いなんだけどぉ!」
「お姉さんが持ってるマイクロチップは核攻撃にも耐えうるスーパーチップなんだ。それが東側の手に渡った」
「西とか東とかなんなのよぉ! おはし持つ方の手で云ってよ!」
「(舌打ち)これだから平成生まれは」
「なんか云った!?」
「とにかくなんだかんだあって、お姉さんが頑張らないとシリコンバレーが海に沈む」
「だから分かるように云ってってば!」
「お姉さんの身近な地域で例えると、福岡市西区今宿の三菱電機のデバイス工場のあるあたりが海に沈む」
「そりゃたいへんだー!」
「全宇宙に偏在する超思念存在は、エントロピー崩壊をしつづける世界の均衡を保つためにお姉さんを選んだ。
 超思念存在は事態を憂いている。そのためこの惑星でもっともポピュラーな「均衡を取り戻すもの」の象徴
 をお姉さんに与えた。それがJB」
「JBってなに! 雪、つめたい! おしるこ食べたい!」
「ボンド、ジェームズ・ボンド」
「あたし外人じゃないよ!」
「ぼくはお姉さんを均衡へと導くためのガイドライン。ジェームズ・ボンドの世界はいくつもの約束事でできている。
 守らないと死ぬよ。まずマティーニは必ずシェイクで。ステアしちゃダメだ。カジノでは勝たなきゃいけないけど
 謎の美女になら負けてもいい。最後は敵の秘密地下基地に突入だ。そして、これ」
「なにその時計みたいなやつ」
「時限爆弾。ジェームズ・ボンドは必ず残りカウント1でこの爆弾を止めなきゃいけない」
「あたしにそんなこと無理だよ!」
「(ため息)しょうがないね。お約束には反するけれど、ひとつくらいの反則もいいさ。これはぼくが持っていく」
「持っていく……って、それ、爆弾なんじゃ……ってねぇ、BG! BGってば!……あっ(爆音)」
「……」
「BGあなたって子は」
「……」
「忘れないよ、あなたのこと。あたしよくわかんないけどボンドとして頑張るよ」
「呼んだ?」
「うわっ、びっくり。あんたいま、あたしの前でばらっばらの死体になったじゃないのよ」
「BG(ボンドガール)の代わりなんていくらでもいるよ。それよりお姉さん、お約束をつづけよう」
「ちょっ、さわんな、そこはダメ!」
「ボンドの物語の最後は、ボンドガールと結ばれて終わるんだ」
「む、むすばれ……まって、さーわーるーなー」
「大丈夫。ボンドガールの寿命は一作限り。ぼくたちは蝉よりも短い命を、ボンドのために生きるのさ」
「さーわーるーなー!」

≒≒≒≒≒≒≒≒≒≒≒≒≒≒≒≒≒≒≒≒≒≒≒≒≒≒≒≒≒≒≒≒≒≒≒≒≒≒≒≒≒≒≒≒≒

……などという小咄はともかくとして。
007シリーズ第十四作目、美しき獲物たちのレビューを始めます。

まず、1985年製作のこの作品をなにゆえいまレビューするのか、というお話からしなくてはならないでしょう。
このブログめを運営しているわたくしは、昭和四十三年生まれの今年四十五歳。
昨年、スカイフォールを観て感動し、007シリーズを一作目のドクター・ノウから順に観ていっている最中です。
今年四十五歳と云えば、はっきり云ってロジャー・ムーア・ボンド直撃世代。
それなのに……いや、それ故に、若い頃には007には見向きもしませんでした。
テレビで見かけるロジャー・ボンドは、年寄りのくせに気障で女ったらしで気の利いたセリフを連発する。
汚い大人の物語だと子供のころは思っていました。
それが、年を取るとわかってくるんですね。
ジェームズ・ボンドのような「大人」なんていやしません。これはただの御伽噺なんです。
生まれた土地に縛られ、家族に縛られ、人間関係に縛られて、もはや逃げることも夢見なくなった大人が、
せめても見る甘い夢、それが007なんですね。去年から、それを美しく、そして切ないものだと思うようになりました。
007は当たり外れありますけれど、ぜんぶひっくるめて愛おしいです。

そんな、駄目な豚児を慈しむみたいな生ぬるい姿勢で007シリーズに接してきたわたしですが。
いや、この美しき獲物たちにはたまげました。

なによりびっくりしたのは、「現代に合うようにアップトゥデートされた007」というのが、スカイフォールが最初ではなかったという事実です。
はっきり云って本作のストーリーは初期の代表作、ゴールドフィンガーの焼き直しです。
ですが、だからこそ、お約束を踏襲しているからこそ、お約束をしっかりリファインした要素のひとつひとつが輝いて
見えるのです。

たとえばボンドガールの扱いひとつ取っても、作り手の意気は汲み取れます。
中盤に現れるタニア・サットン、彼女がエレベーターの中で炎に包まれたとき、彼女は死ぬのだろうと思っていました。
ボンドガールは救えないのが007のお約束だからです。
それが炎の中に突入してのまさかの救出劇。消防車のはしごをボロボロになって下りるボンドはかっこわるいけど。
いや……かっこいい! 格好悪いけれどかっこいい!
そしてグレーズ・ジョーンズ演じる「悪のボンドガール」メイ・デイの迎える結末たるや!
2014年、まだ始まって7日ですけれど、現時点での今年のベストガイはメイ・デイですよ!

なによりも変わったな、と思うのが悪役に配されたクリストファー・ウォーケンです。
このウォーケン、ロジャー・ムーアと比べるとびっくりするくらい若くて魅力的なんですよ。
頭脳派で、「グッドフェローズ」にそのまま出演してもいけるくらい暴力的なサイコで、おまけに若い。
はっきり云って、ボンドよりも悪役の方がかっこいいんですよ、この映画。
でも!
だからこそ!
ボンドが、ベタな手段、これまでの13作で培われたお約束の力でもって、泥臭く、格好悪く、勝利に持ち込む
終盤がとっても感動的なんです。
007は誰よりもお父さんに夢を与えなきゃいけない映画なんですよ。
これを劇場で観て、「まだまだ若い者には負けへんで~」とほくほくして帰ったお父さんは多いんじゃないでしょうか。
ロジャー・ムーア・ボンド、見事な幕引きだと思いました。

しかし、ウォーケンの演じる頭脳派サイコの悪役には、007にとって生きにくい、コンテンポラリーな身も蓋もない
「徹底した利己主義」の匂いを感じます。ダイ・ハードの足音がすぐそこまで迫っています。

ボンドにとってもっとも生きにくかった時代。
それを007シリーズはどう生き抜いたのでしょうか。
それは続くティモシー・ダルトンに託されます。
というわけで、これから観る「リビング・デイライツ」にいまからわくわくしているわたしがいるのです。
関連記事
スポンサーサイト

<<Seventh Code (セブンス・コード) | BLOG TOP | ゼロ・グラビティ>>

comment


 管理者にだけ表示を許可する
 

trackback




上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。